まぶたが下がるのはコンタクトが原因?眼瞼下垂手術や埋没法による治療
「コンタクトを使うようになってから、まぶたが下がってきた気がする」「目が重くて開けにくい」──このようなお悩みは、実は眼科でもよく相談される症状のひとつです。まぶたが下がる原因にはさまざまなものがありますが、コンタクトレンズの長期使用が関わっているケースも少なくありません。
さらに、若い世代でも「一重まぶたで目が重く見える」「コンタクトをすると余計に目が小さく見える」と悩む方が少なくありません。そのような場合には、病気の治療だけでなく美容的な選択肢として埋没法が有効です。
この記事では、まぶたが下がる症状とコンタクトの関係、その他の原因、眼科での検査や治療、そして若い方におすすめの埋没法について詳しく解説します。
目次
- まぶたが下がる(眼瞼下垂)の症状とは?
- コンタクトレンズとまぶた下がりの関係
- コンタクト以外の原因
- 危険なサイン(早めに受診すべき症状)
- 眼科での検査と診断
- 治療法と対策
- 若い世代の一重まぶたと埋没法
- 当院での診療体制
- まとめ
まぶたが下がる(眼瞼下垂)の症状とは?
まぶたが下がる状態は医学的に眼瞼下垂(がんけんかすい)と呼ばれます。症状の程度は人それぞれですが、次のような特徴があります。
- 片目または両目のまぶたが下がり、黒目の一部が隠れる
- 目が開けにくく、額にしわを寄せてまぶたを持ち上げている
- 視界の上部が狭く感じる
- 夕方になるとさらに目が重くなる
- 頭痛や肩こり、疲れ目を伴うことがある
軽度であれば見た目の違和感だけですが、重度になると視界に影響し、日常生活にも支障をきたします。
コンタクトレンズとまぶた下がりの関係
コンタクトレンズ、とくにハードコンタクトレンズを長期間使用している方は、眼瞼下垂を発症しやすいことが知られています。その理由は以下の通りです。
🔹 ハードコンタクトの機械的刺激
ハードコンタクトは装脱着の際にまぶたを頻繁に引っ張るため、まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋腱膜が少しずつ伸びてしまいます。これにより、まぶたを持ち上げる力が弱まり、下がって見えるようになるのです。このタイプは腱膜性眼瞼下垂と呼ばれ、ハードコンタクト歴の長い方に多く見られます。
🔹 ソフトコンタクトでの違和感
ソフトコンタクトレンズ自体は腱膜を伸ばすリスクは低いですが、長時間の装用によって眼精疲労やドライアイが悪化し、「まぶたが重い」「目が開きにくい」と感じることがあります。特に乾燥やPC作業が多い方は注意が必要です。
🔹 長期使用による影響
コンタクト使用歴が10年以上になると、わずかな腱膜の伸びが蓄積して下垂を生じやすくなります。年齢による自然なまぶたの変化も加わり、症状が進行しやすくなります。
コンタクト以外の原因
まぶたが下がる原因はコンタクトだけではありません。以下のような要因も考えられます。
- 加齢性眼瞼下垂: 年齢とともにまぶたの筋肉や腱膜が弱まり、自然に下がってきます。
- 神経疾患: 動眼神経麻痺や重症筋無力症など、神経や筋肉の異常によって起こることがあります。
- 眼瞼けいれん: 瞼がけいれんして開けにくくなる病気で、下垂と間違えられることがあります。
- 眼精疲労・ドライアイ: コンタクトの使用に限らず、長時間の作業で目が重く感じることがあります。
急に症状が出た場合や、片目だけ下がる場合は特に注意が必要です。
危険なサイン(早めに受診すべき症状)
次のような症状がある場合は、自己判断せずお電話などでご相談ください。
- ・片目だけ急にまぶたが下がった
- ・物が二重に見える(複視)
- ・頭痛やしびれを伴う
- ・まぶたの下がりがどんどん進行している
- ・視界が狭くなり日常生活に支障がある
これらは神経の異常や脳疾患(動脈瘤など)が隠れている可能性があり、早急な対応が必要です。
必要に応じて救急外来などに紹介状をお書きします。
眼科での検査と診断
眼科では、まぶた下がりの原因を特定するために次のような検査を行います。
- MRD(瞼裂高)測定: 黒目の中央からまぶたの縁までの距離を測り、下垂の程度を評価します。
- 眼瞼挙筋の機能評価: まぶたを持ち上げる力が十分にあるかを確認します。
- 眼底検査・OCT検査: 視神経や網膜に異常がないかを調べます。
- (必要に応じてMRI・血液検査: 神経疾患や筋肉疾患を疑う場合に行われます。他科と連携して行います。)
コンタクトが原因かどうかを判断するには、使用歴やレンズの種類も重要な手がかりになります。
治療法と対策
治療は原因や症状の程度によって異なります。
🔹 コンタクトの種類変更
ハードコンタクトからソフトコンタクトや眼鏡に切り替えることで進行を抑えられる場合があります。
🔹 点眼・生活改善
ドライアイや眼精疲労が原因の場合は、人工涙液の点眼や作業環境の改善で症状が軽くなることがあります。
🔹 手術(眼瞼下垂手術・埋没法)
腱膜が伸びてしまった場合は、手術で腱膜を縫い縮めて修復します。これが眼瞼下垂手術(挙筋前転法など)です。美容的な印象だけでなく、視界の改善にもつながるため、機能面・見た目の両面で効果が期待できます。
また、軽度のまぶた下がりや二重まぶたの調整には埋没法(自費診療)による手術も行われています。糸でまぶたを留めることで、まぶたの開きをサポートし、目元を明るく見せることが可能です。
若い世代の一重まぶたと埋没法
まぶたの下がりは加齢やコンタクトによる影響だけでなく、若い世代でも一重まぶたやまぶたの厚みによって「目が重く見える」「視界が狭い」と感じることがあります。このようなケースでは、病的な眼瞼下垂ではなくても日常生活や見た目に悩みを持つ方が少なくありません。
そのような若い方には、埋没法(自費診療)という治療法が選択肢となります。埋没法はまぶたを糸で留めて二重のラインを作る方法で、切開を伴わないためダウンタイムが短く、初めての二重手術としても受けやすいのが特徴です。目元が明るくなり、まぶたの重さを感じにくくなることで、コンタクトレンズ使用時の見た目改善にもつながります。
千川あおぞらクリニック眼科では、美容的なご相談にも対応しており、自然な仕上がりを重視した埋没法を提供しています。若い世代で「一重がコンプレックス」「まぶたが重くて悩んでいる」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
当院での診療体制
当院では、コンタクトが原因かどうかを含めた総合的な診断を行っています。眼瞼下垂手術や埋没法にも対応し、必要に応じて適切なコンタクトの種類変更や生活指導を行います。
- ・眼精疲労・ドライアイの診断と治療
- ・OCT検査による視神経の評価
- ・眼瞼下垂手術(挙筋前転法)や埋没法
- ・神経疾患が疑われる場合の連携紹介
「まぶたが下がってきた」「一重で悩んでいる」「コンタクトが原因かもしれない」と感じたら、早めに受診してください。
まとめ
まぶたが下がる原因には、コンタクトレンズによる腱膜の伸びや眼精疲労、加齢、神経疾患などがあります。特にハードコンタクトの長期使用は腱膜性眼瞼下垂のリスクを高めます。放置すると視界が狭くなり生活に支障をきたすため、違和感を感じたら眼科での精密検査をおすすめします。
また、若い世代の一重まぶたの悩みには、切らずに行える埋没法(自費診療)が有効です。美容的な改善とともに、目の開きが良くなることでコンタクト装用時の見た目改善も期待できます。
千川あおぞらクリニック眼科では、眼瞼下垂手術や埋没法を含め、まぶた下がりの原因特定から治療まで幅広く対応しています。気になる症状やお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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